FileMaker Pro とリモートデスクトップ接続の使用
リモートデスクトップサービスおよび Citrix XenApp の紹介
Windows Server、Citrix XenApp、およびクライアントソフトウェアのサポートされているバージョンの詳細については、FileMaker Web サイトに記載されている FileMaker Pro 技術仕様を参照してください。
追加の FileMaker ドキュメンテーションの表示、またはダウンロードの詳細については、プロダクトドキュメンテーションセンターをご覧ください。
リモートデスクトップサービスについて
リモートデスクトップサービスは、あらゆるタイプのネットワーク接続で、多数のコンピュータから Windows Server コンピュータ上にインストールされているアプリケーションにリモートアクセスすることを可能にする Microsoft Windows Server のコンポーネントです。リモートデスクトップサービスには、サーバーとクライアントの通信手段として 3 つのコンポーネント (サーバー、クライアント、およびプロトコル) があります。
リモートデスクトップサービスサーバー
リモートデスクトップサービスをアプリケーションサーバーモードで使用する場合、すべてのアプリケーションはサーバー上で実行されます。リモートデスクトップサービスサーバーは画面情報のみをクライアントに送信し、クライアントのマウスおよびキーボードの入力情報のみを転送します。
リモートデスクトップサービスに必要なサーバーハードウェアは、同時接続するクライアント数とクライアントの使用条件によって異なります。Microsoft 社の Web サイトを参照してください。
リモートデスクトップサービスでは、ユーザ間で実行可能なリソースを共有します。そのため、同じアプリケーションを実行する追加ユーザのメモリの必要条件は、最初のユーザがアプリケーションをロードするときの必要条件よりも少なくなります。
リモートデスクトップサービスクライアント (リモートデスクトップ接続)
リモートデスクトップサービスクライアント (リモートデスクトップ接続) は、シンクライアントテクノロジーを使用して Windows デスクトップ環境をユーザに提供します。クライアントは、サーバーとの接続を確立するだけで、仮想装置として動作します。
リモートデスクトップサービスを使用する必要があるすべてのコンピュータに、リモートデスクトップサービスクライアントソフトウェアをインストールします。
- Windows: リモートデスクトップ接続ソフトウェアはデフォルトでインストールされている場合があります。インストールされていない場合は、Microsoft 社の Web サイトからダウンロードするか、リモートデスクトップ Web 接続を使用してください。
- macOS: Microsoft 社の Web サイトからリモートデスクトップ接続ソフトウェアをダウンロードしてください。
RDP (Remote Desktop Protocol)
リモートデスクトップサービスをインストールすると、RDP (Remote Desktop Protocol) が自動的にインストールされます。RDP は、クライアントをリモートデスクトップサービスサーバーに接続するために設定する必要がある唯一の接続です。ネットワークアダプタにつき1つの RDP 接続を設定できます。
リモートデスクトップサービスを使用する利点
- 組織では、ハードウェアサポート対象外の旧システム上でも、Windows ベースのアプリケーションを展開することができます。
- ユーザは、現在使用している既存のオペレーティングシステムおよびアプリケーションを使い続けることができます。
- 組織では、Windows ベースのアプリケーションを、さまざまなデスクトップ環境に LAN や WAN を通じて配信することができます。
- システム管理者は、ネットワーク上のすべてのデスクトップコンピュータにアプリケーションを個別にインストールする必要がなく、アプリケーションをサーバーマシンにインストールおよびアップデートするだけです。
- 低速のネットワーク接続でも、ネットワーク接続されたアプリケーションを効率的に実行できます。
Citrix XenApp について
Citrix XenApp は、Microsoft リモートデスクトップサービスとともに実行するアプリケーションサーバーです。Citrix XenApp では、さらに幅広い種類のプラットフォームやクライアントによるアプリケーションへのアクセスを可能し、より多くの機能をサポートすることにより、リモートデスクトップサービスの機能を拡張します。Citrix XenApp には、Windows Server のリモートデスクトップサービスのように、サーバーとクライアントの通信手段として、サーバー、クライアント、および Citrix ICA (Independent Computing Architecture) プロトコルの 3 つのコンポーネントがあります。
アプリケーションサーバー
Citrix XenApp を使用する場合、すべてのアプリケーションはサーバー上で実行されます。サーバーは画面情報のみをクライアントに送信し、クライアントのマウスおよびキーボードの入力情報のみを転送します。
Citrix XenApp に必要なサーバーハードウェアは、同時接続するクライアント数とクライアントの使用条件によって異なります。Citrix 社の Web サイトを参照してください。
Citrix XenApp では、ユーザ間で実行可能なリソースを共有します。そのため、同じアプリケーションを実行する追加ユーザのメモリの必要条件は、最初のユーザがアプリケーションをロードするときの必要条件よりも少なくなります。
Citrix ICA クライアント
Citrix ICA クライアントは、シンクライアントテクノロジーを使用して Windows デスクトップ環境またはアプリケーションをユーザに提供します。リモートデスクトップサービスクライアントと異なり、シームレスなアプリケーションが Citrix ICA クライアント用に公開されている場合、アプリケーションは、クライアントのデスクトップでローカルに実行されている場合と同じように表示されます。Windows デスクトップとアプリケーションのどちらの場合も、クライアントはサーバーとの接続を確立するだけです。必要な画面情報はサーバーがクライアントに表示し、クライアントはキーボードとマウスの入力情報をサーバーに送信します。アプリケーションの処理はサーバー上で実行され、アプリケーションがクライアントにロードされることはありません。
クライアントは、Citrix 社の Web サイトから利用できます。
Citrix ICA プロトコル
Citrix XenApp をインストールすると、Citrix ICA プロトコルが自動的にインストールされます。ICA プロトコルによって Citrix ICA クライアントおよび Citrix XenApp 間でデータが転送されます。ICA プロトコルは、Windows アプリケーションの透過性サポート、低帯域幅、データ圧縮および暗号化を目的に設計されています。
FileMaker Pro が Citrix XenApp 上で実行される場合、ICA 接続はテストされ、TCP/IP プロトコルでサポートされます。
リモートデスクトップサービスクライアントがリモートデスクトップ接続を利用して Citrix XenApp にアクセスする場合は、Citrix XenApp 上で TCP/IP プロトコルを使用可能にする必要があります。
Citrix XenApp を使用する利点
- 組織では、クライアントのハードウェア、オペレーティングシステム、またはネットワーク接続にかかわらず、異なるコンピュータ環境において Windows アプリケーションを展開できます。
- ユーザは、現在使用している既存のオペレーティングシステムおよびアプリケーションを使い続けることができます。
- IT 管理者は 1 つの場所から特定の Windows アプリケーションをサポートし、アプリケーションの配置、アクセス、パフォーマンス、セキュリティ、および信頼性を管理できます。
- システム管理者はアプリケーションの 1 つのコピーをサーバーマシンにインストールおよびアップデートするだけです。管理者は、Windows デスクトップ全体からアプリケーションウインドウまで、さまざまなアプリケーション環境を作成できます。
- Citrix XenApp での Citrix Web Interface の動作は、FileMaker Pro 構成モデルでサポートされており、組織で標準 Web ブラウザにアプリケーションを統合できます。
Citrix XenApp のインストールの前に
- リモートデスクトップサービスをアプリケーションサーバーモードに設定します。Microsoft 社の Web サイトを参照してください。
- 接続するユーザまたはクライアントの数、クライアントにサービスを提供するアプリケーションの種類、Citrix XenApp へのユーザの接続方法を慎重に検討してください。
Citrix ICA クライアントソフトウェアのインストール
Citrix ICA クライアントソフトウェアは、Citrix XenApp を使用する必要のあるすべてのコンピュータにインストールする必要があります。リモートデスクトップサービスクライアントはサーバーにアクセスできますが、Citrix ICA クライアントが持つ機能のすべてを利用できるわけではありません。Citrix ICA クライアントのインストールについては、Citrix 社のドキュメントを参照してください。
リモートデスクトップサービス、または Citrix XenApp を利用した FileMaker Pro の使用
リモートデスクトップサービスサーバーまたは Citrix XenApp への FileMaker Pro のインストール
メモ: 次の手順には、ボリュームライセンスが必要です。シングルライセンスの FileMaker Pro ソフトウェアのコピーはサポートされていません。テストならびに動作確認は、FileMaker, Inc. により英語バージョンの FileMaker Pro、リモートデスクトップサービスおよび Citrix XenApp で 行われています。ライセンスの詳細については、FileMaker Web サイトをご覧ください。
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インストールする場合:
- リモートデスクトップサービス: リモートデスクトップサービスが Windows Server コンピュータにすでにインストールされ、正しく設定されていることを確認し、管理者としてログオンしていることを確認します。
- Citrix XenApp: リモートデスクトップサービスが Windows Server コンピュータにすでにインストールされ、正しく設定され、Citrix XenApp がインストールされていることを確認し、管理者としてログオンしていることを確認します。
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次のいずれかの操作を行います:
- ソフトウェアを電子的にダウンロードしている場合は、ダウンロードファイルをダブルクリックしてファイルを解凍します。
- FileMaker Pro の DVD をお持ちの場合は、DVD を DVD ドライブに挿入します。
- [コントロールパネル] の [リモートデスクトップサーバーへのアプリケーションのインストール] をダブルクリックします。
- 画面の指示に従って、FileMaker Pro のインストールプログラムの場所を指定し、インストールを開始します。
プロダクトドキュメンテーションセンターで公開されている『FileMaker Pro および FileMaker Pro Advanced インストールおよび新機能ガイド』を参照してください。
使用に関する注意事項
リモートデスクトップサービスおよび Citrix XenApp サーバー:
- メモリを必要とする FileMaker Pro ソリューションを使用する場合、または FileMaker Pro 以外にも複数のアプリケーションを使用する場合は、クライアントごとにより多くの RAM が必要です。
- 高速な最新のプロセッサを使用します。
FileMaker, Inc. では、リモートデスクトップサービスと Citrix XenApp クライアントで実行する FileMaker Pro ソリューションの使用および開発をサポートしています。しかし、FileMaker Pro 開発によっては正しく機能しない場合もあります。
FileMaker Pro ファイルを使用するための環境
FileMaker Server への接続
FileMaker Server を使用してリモートデスクトップサービスサーバーまたは Citrix XenApp サーバーでファイルを共有できます。
- リモートデスクトップサービス: FileMaker Pro を展開しているリモートデスクトップサービスサーバーは、FileMaker Server にアクセスしてローカルの FileMaker Pro クライアントと同様に、リモートデスクトップサービスクライアントでも FileMaker Server で共有されている FileMaker Pro ファイルを共有できるようにします。
- Citrix XenApp: FileMaker Pro を展開している Citrix XenApp は、FileMaker Server にアクセスしてローカルの FileMaker Pro クライアントと同様に、ICA クライアントでも FileMaker Server で共有されている FileMaker Pro ファイルを共有できるようにします。
リモートデスクトップサービスまたは Citrix XenApp で実行している FileMaker Pro をユーザが開くと、標準のネットワーク環境で FileMaker Server へアクセスするのと同様の方法で、FileMaker Server によって共有されている FileMaker Pro ファイルへアクセスすることができます。
メモ: FileMaker, Inc. では、リモートデスクトップサービスおよび Citrix XenApp が稼動する同じマシン上での FileMaker Server の実行はサポートしていません。
クライアントとしての共有ファイルの開き方の詳細については、プロダクトドキュメンテーションセンターで公開されている FileMaker Pro ヘルプを参照してください。
macOS Citrix ICA クライアント
macOS ICA クライアントから Citrix XenApp を利用して FileMaker Pro にアクセスする際は、そのクライアントから Windows アプリケーションにアクセスしているということを覚えておいてください。macOS クライアントで使用されるショートカットキーは Windows のショートカットキーとなり、アプリケーションは Windows アプリケーションのように画面上で表示されます。
非共有ファイル
リモートデスクトップサービスクライアントおよび Citrix XenApp クライアントは、ネットワークで共有されていない FileMaker Pro ファイルにアクセスできます。通常の非共有の FileMaker Pro ファイルと同様に、リモートデスクトップサービスクライアントおよび Citrix XenApp クライアントでも、非共有ファイルを開発および使用することができます。共有ファイルおよびピアツーピア共有 (FileMaker ネットワーク共有) は、リモートデスクトップサービスクライアントまたは Citrix XenApp クライアントではサポートされません。
メモ: 特定のファイルの共有を解除するには、[ファイル] メニュー > [共有設定] > [FileMaker クライアントと共有...] を選択し、ファイルを選択してから [ユーザなし] を選択します。
サポートされていない FileMaker Pro の機能
- その他の FileMaker Pro クライアントとの FileMaker ネットワーク共有
- ODBC/JDBC 共有
- サードパーティープラグイン: プラグイン開発者はプラグインがリモートデスクトップサービスと Citrix XenApp クライアント上で動作可能かどうかを確認する必要があります。
FileMaker ナレッジベースの記事
リモートデスクトップサービスまたは Citrix XenApp での FileMaker Pro の実行に関する詳細については、FileMaker ナレッジベースをご覧ください。