FileMaker Server 18 ネットワークインストールセットアップガイド
FileMaker Server 18 ネットワークインストールセットアップガイド
このドキュメントでは、Windows または macOS 用の FileMaker® Server 18 のインストールをネットワーク上で設定する方法について説明します。
電子ダウンロードには Windows および macOS 用の FileMaker Server のインストーラが含まれています。このソフトウェアの使用については、ライセンスアグリーメントの条件が適用されます。
インストールを構成する前に
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ソフトウェアのライセンス証明書を確認します。
FileMaker Server ではライセンス証明書を使用してライセンスキーを設定します。FileMaker Server ライセンスをご購入いただいたお客様は、ソフトウェアダウンロードページへのリンクが記載された電子メールを受信します。ライセンス証明書についての情報はそのページで確認できます。ライセンス証明書は組織用にカスタマイズされています。
ライセンス証明書を紛失しないようにご注意ください。ソフトウェアの再インストールが必要な場合に備えてライセンス証明書のコピーを安全な場所に保管してください。
FileMaker Server インストールおよび構成ガイドを参照してください。
重要:ソフトウェアをインストールする際はソフトウェアダウンロードページに記載されている組織名を大文字小文字を区別して正確に入力してください。
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ユーザが FileMaker Server をインストールする際に登録情報を入力する方法を決めます。この情報を入力する方法は次の 2 つです:
- (推奨する方法) 設定支援インストールを設定します。この方法では「Assisted Install.txt」という名前の登録ファイルを使用してインストーラに情報を提供し、FileMaker Server のインストールを標準化することができます。この方法を使用するとインストールをカスタマイズすることができます。
- FileMaker Server をコンピュータにインストールする際に情報を入力してソフトウェアを登録します。
重要:FileMaker Server をインストールするには、インストールするオペレーティングシステムの管理者権限が必要です。
FileMaker マニュアルの場所
- FileMaker Server Admin Console の各ページから FileMaker Server ヘルプを利用できます。ページの下までスクロールして [ヘルプ] をクリックします。
- Admin Console の各ページから FileMaker Server のマニュアルにアクセスすることができます。ページの下までスクロールして [マニュアル] をクリックします。
- 追加の FileMaker ドキュメンテーションの表示およびダウンロードについては、プロダクトドキュメンテーションセンターを参照してください。
FileMaker Server 製品または展開の詳細については、FileMaker Server インストールおよび構成ガイドを参照してください。
設定支援インストールについて
設定支援インストールを使用すると、複数の展開での FileMaker Server のインストールが容易になります。組織名などの必要な情報を登録ファイルに入力しておき、そのファイルをネットワークで利用できるようにします。このファイルは FileMaker Server を組織のコンピュータにインストールするために使用されます。
インストール画面を表示しないサイレントインストールを設定することもできます。「設定支援サイレントインストールについて (Windows)」または「設定支援サイレントインストールについて (macOS)」を参照してください。
登録ファイルを編集して、登録ファイルと FileMaker Server のインストールファイルをネットワークで利用できるようにすると、ユーザは設定支援インストールを実行することができます。「ユーザによる設定支援インストールの実行方法」を参照してください。
FileMaker Server の設定支援インストールを実行したら、ユーザはマスタマシンでは Admin Console を、ワーカーマシンでは展開アシスタントを使用して FileMaker Server を複数のマシンで展開するように設定する必要があります。詳細については、FileMaker Server インストールおよび構成ガイドを参照するようにユーザに指示してください。
設定支援インストールの設定
FileMaker Server を Windows および macOS にインストールするためにネットワークボリュームを設定するには、次のセクションの手順を実行します。
ネットワークボリュームへのインストールファイルのコピー
- ネットワークボリューム上に FileMaker Server インストーラファイルを格納するフォルダを作成します。
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次のフォルダとファイルを検索して、ネットワークボリューム上に作成したフォルダにコピーします。
- Windows: 登録ファイル「Assisted Install.txt」、「License Agreements」フォルダ、およびその他の必要なインストールファイルが保存されている「Files」フォルダ。
- macOS: FileMaker Server インストーラアプリケーション、登録ファイル「Assisted Install.txt」、および「License Agreements」フォルダ。
- 登録ファイルを使用するには「登録ファイルのカスタマイズ」に進みます。登録ファイルを使用しない場合は「ユーザによる設定支援インストールの実行方法」に進みます。
登録ファイルのカスタマイズ
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テキストエディタを使用してネットワークボリューム上にある「Assisted Install.txt」ファイルを開きます。
メモ:「Assisted Install.txt」ファイルはクロスプラットフォームファイルです。「Assisted Install.txt」ファイルは、Windows および macOS システムの両方のインストールに使用できます。
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必要に応じて以下の設定を変更します。
目的 実行方法 エンドユーザライセンス契約 (EULA) を受け入れるかどうかを選択する サイレントインストールの場合に限り、License Accepted= の後に次のいずれかを入力します。
- 1 - EULA の条件を受け入れます。
- 0 - EULA の条件を受け入れません (デフォルト)。
「設定支援サイレントインストールについて (Windows)」および「設定支援サイレントインストールについて (macOS)」を参照してください。
重要:デフォルトの 0 (ゼロ) のままにすると、インストールは停止します。
すべてのインストールで使用する所属 (組織名) を入力する Organization= の後に所属 (組織名) を入力します。
Organization= の変数を指定する場合は、ソフトウェアダウンロードページに記載されている組織名を正確に入力してください。
Windows: 値を入力しない場合、インストーラにより Windows を登録する際に使用された名前が使用されます。
展開オプションを指定する Deployment Options= の後に次のいずれかを入力します。
- 0 - サーバーマシンにインストールします (デフォルト)。
- 1 - FileMaker WebDirect™ ワーカーマシンにインストールします。
複数のマシン展開を設定する場合、マスタマシンと FileMaker WebDirect ワーカーマシンにインストールするために別々の「Assisted Install.txt」ファイルが必要になります。
FileMaker Server のユーザアカウントを指定する FileMaker Server User= の後に次のいずれかを入力します。
- 0 - デフォルトのアカウント (Windows の場合は Local System、macOS の場合は fmserver) で FileMaker Server を実行します。
- 1 - 異なるアカウントで FileMaker Server を実行します。
サイレントインストールで FileMaker Server User=1 を指定した場合、インストールは停止します。「設定支援サイレントインストールについて (Windows)」および「設定支援サイレントインストールについて (macOS)」を参照してください。
Admin Console のユーザ名を指定する Admin Console User= の後に Admin Console にサーバー管理者としてサインインする場合に使用するユーザ名を入力します。
ユーザ名では大文字と小文字は区別されません。
値を入力しない場合、デフォルトのユーザ名である admin が使用されます。
Admin Console のパスワードを指定する Admin Console Password= の後に Admin Console にサーバー管理者としてサインインする場合に使用するパスワードを入力します。
パスワードでは大文字と小文字が区別されます。
Admin Console の PIN を指定する Admin Console PIN= の後に CLI (コマンドラインインターフェース) を使用した Admin Console パスワードのリセットに使用する 4 桁の PIN の値を入力します。
インストール後にマスタマシンで Admin Console を自動的に開き、ワーカーマシンで展開アシスタントを自動的に開始するかどうかを指定する Launch Deployment Assistant= の後に次のいずれかを入力します。
- 0 - Admin Console を開かず (マスタマシン)、展開アシスタントを開始しない (ワーカーマシン) ようにします。
- 1 - インストール後に Admin Console を開き (マスタマシン)、展開アシスタントを開始 (ワーカーマシン) します (デフォルト)。
FileMaker ライセンス証明書のパスを指定する License Certificate Path= の後にライセンス証明書ファイルの完全修飾パスを入力します。
例:
- Windows:
C:¥Users¥<ユーザ名>¥Downloads¥LicenseCert.fmcert
- macOS:
/Users/<ユーザ名>/Downloads/LicenseCert.fmcert
メモ:
- Windows: ライセンス証明書のフォルダの場所には ASCII 文字のみを使用できます。
- FileMaker ライセンス証明書のパスを指定しない場合、インストーラは次のパス内でファイル拡張子が .fmcert のファイルを探します:
- インストーラがあるマシンのデフォルトのダウンロードフォルダ
- Windows:
C:¥Users¥<ユーザ名>¥Downloads
- macOS:
/Users/<ユーザ名>/Downloads
- インストーラフォルダ (インストーラがあるフォルダ)
- 「LicenseFile」フォルダ
- Windows:
ドライブ:¥Program Files¥FileMaker¥FileMaker Server¥CStore¥LicenseFile
(「ドライブ
」は FileMaker Server がインストールされているドライブ) - macOS:
/Library/FileMaker Server/CStore/LicenseFile
(FileMaker Server がインストールされているマシン)
インストール時に顧客情報、展開オプション、ユーザアカウント、および Admin Console アカウントダイアログボックスを表示または非表示にする Skip Dialogs= の後に次のいずれかを入力します。
- 0 - インストール時にダイアログボックスを表示します。
- 1 - ダイアログボックスを非表示にします。
1 を指定した場合、ユーザはインストーラで情報を入力する必要はありません。
前述の設定で「FileMaker Server User=1」 (および「Deployment Options=0」) と入力した場合は FileMaker Server ユーザアカウントダイアログボックスが表示されます。
前述の設定で Admin Console Password= または Admin Console PIN= に値を入力しなかった場合は Admin Console アカウントダイアログボックスが表示されます。
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「Assisted Install.txt」ファイルに加えた変更をテキストとして保存します。
- Windows: インストール時に「Assisted Install.txt」および「Setup.exe」が「Files」フォルダに存在している必要があります。
- macOS: インストール時に「Assisted Install.txt」が FileMaker Server インストーラアプリケーションと同じフォルダに存在している必要があります。
ユーザによる設定支援インストールの実行方法
FileMaker Server をインストールするには、インストールファイルが保存されているボリュームをマウントしてから「Setup.exe」 (Windows) または FileMaker Server インストーラアプリケーション (macOS) をダブルクリックするようにユーザに指示します。
Windows: ファイルを開く場合のセキュリティ警告ダイアログボックスが表示されたら、[実行] をクリックしてインストールを続行するようにユーザに指示します。
「Assisted Install.txt」ファイルがインストーラと同じフォルダに存在する場合、インストール時にそのファイルの情報がインストーラによって使用されます。このファイルが存在しないか不完全な場合、ユーザが必要な情報を入力する必要があります。
インストールが完了したら、ユーザはマスタマシンでは Admin Console を、ワーカーマシンでは展開アシスタントを使用して FileMaker Server を複数のマシンで展開するように設定する必要があります。「Assisted Install.txt」ファイルで、インストール後にワーカーマシンで展開アシスタントを自動的に開始するかどうかを指定することができます。展開アシスタントを開始しないように選択した場合、ショートカット (Windows) またはエイリアス (macOS) を使用するか、Web ブラウザを使用して次のように展開アシスタントを手動で開くようにユーザに指示します:
- マスタマシン上で Web ブラウザを開いて
http://localhost:16001/admin-console
を入力して Admin Console を開きます。 - ワーカーマシン上で Web ブラウザを開いて
http://localhost:16003
を入力して展開アシスタントを開きます。
Windows: Admin Console サインインページ (マスタマシン) または FileMaker WebDirect ワーカー展開アシスタント (ワーカーマシン) へ移動するショートカットは、[スタート] メニュー > [すべてのプログラム]、または [すべてのアプリ] > [FileMaker Server]、または [スタート] メニュー > [プログラム] > [FileMaker Server] に作成されます。[スタート] 画面がある Windows バージョンでは、ショートカットは Windows の [スタート] 画面から使用できます。すべてのバージョンで、デスクトップ上にもショートカットが作成されます。
macOS: Admin Console サインインページ (マスタマシン) または FileMaker WebDirect ワーカー展開アシスタント (ワーカーマシン) へ移動するエイリアスはデスクトップ上に作成されます。
メモ
- FileMaker Server をインストールするには管理者権限が必要です。
- Windows では、インストーラに表示される言語を選択することができます。macOS では、インストーラは現在の macOS システム言語と同じ言語で表示されます。Windows と macOS で、ユーザが FileMaker Server Admin Console を使用するときに表示される言語は、マスタマシン上の基本 OS にインストールされた言語と同じです。
設定支援サイレントインストールについて (Windows)
サイレントインストール中は、ユーザによる FileMaker Server インストーラとの対話は最小限に抑えられます。必要なインストール情報は登録ファイル「Assisted Install.txt」から読み取られ、インストール画面は表示されません。登録ファイルをカスタマイズするには「登録ファイルのカスタマイズ」を参照してください。
重要:サイレントインストールの実行を選択した場合、インストール画面は表示されません。ただし、インストール画面に表示される使用許諾契約の条件に同意する必要があります。特に、エンドユーザライセンス契約 (EULA) 画面が表示されない場合、「Assisted Install.txt」ファイルで、License Accepted= を 1 (はい) または 0 (いいえ) に設定する必要があります。デフォルト値は 0 です。License Accepted= を 1 に設定した場合、EULA 画面の EULA の条件に同意したことになります。
サイレントインストールを実行する方法は 2 つあります。ユーザは次の方法でインストールを行うことができます。
- マウントされたボリューム上にある「Setup.exe」ファイルをダブルクリックする。この方法では「Setup.ini」ファイルを変更する必要があります。「サイレントインストールのための「Setup.ini」の変更 (Windows)」を参照してください。
- コマンドラインでインストールコマンドと該当するオプションを入力する。「コマンドラインを使用したサイレントインストールの実行 (Windows)」を参照してください。
重要
- FileMaker Server はユーザのマシンのポート 80 および 443 を使用する必要があります。使用できない場合、ソフトウェアはインストールされません。
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FileMaker Server には次のコンポーネントが必要です:
- Java Runtime Environment
- Bonjour for Windows
- Microsoft Visual Studio C++ Redistributable Package
これらのコンポーネントがユーザのマシンにインストールされていない場合、FileMaker Server インストーラによって自動的にインストールされます。FileMaker Server に必要なハードウェアおよびソフトウェアの詳細については、FileMaker Server システム必要条件を参照してください。
サイレントインストールのための「Setup.ini」の変更 (Windows)
「Setup.ini」ファイルを次のように変更した場合、ユーザがネットワークボリュームをマウントして「Setup.exe」をダブルクリックすると、サイレントインストールが開始されます。
- 「FileMaker Server」フォルダ内にある「Files」フォルダで「Setup.ini」ファイルを検索します。
- テキストエディタを使用して「Setup.ini」を開きます。
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[Startup] セクションを検索します。次のいずれかの操作を行います:
目的 CmdLine= の後に追加するオプションの指定方法 ユーザインターフェースを表示しないで FileMaker Server をインストールする (サイレントインストール) CmdLine=/q インストール中に進行状況バーおよび [キャンセル] ボタンを表示する CmdLine=/qb - 「Setup.ini」ファイルを保存して閉じます。
コマンドラインを使用したサイレントインストールの実行 (Windows)
ユーザはコマンドラインから FileMaker Server をインストールできます。この方法を使用する場合、インストールが成功したかどうかをインストーラによってユーザに通知することができます。
コマンドラインのサイレントインストールでは、管理者としてコマンドプロンプトを実行する必要があります。
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[スタート] メニューがある Windows バージョンで管理者として実行するには:
- [スタート] メニュー > [すべてのプログラム] > [アクセサリ]、または [スタート] メニュー > [プログラム] > [アクセサリ]、または [スタート] メニュー > [Windows システムツール] を選択します。
- [コマンドプロンプト] を右クリックして、[管理者として実行] を選択します。
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[スタート] 画面がある Windows バージョンで管理者として実行するには:
- [スタート] 画面で右クリックして、[すべてのアプリ] を選択します。
- [コマンドプロンプト] を右クリックして、[管理者として実行] を選択します。
- Windows Server で管理者として実行するには、[スタート] メニューで右クリックして、[コマンドプロンプト (管理者)] を選択します。
コマンドラインから設定支援インストールを実行するときに提供されるオプションは次のとおりです。
目的 | ユーザにコマンドウインドウでの入力を指示する内容 |
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ユーザインターフェースを表示しないで FileMaker Server をインストールする (サイレントインストール) | "pathname¥setup.exe" /s /v/qn |
FileMaker Server のインストールに成功したかどうかを示すダイアログボックスを表示する | "pathname¥setup.exe" /s /v/qn+ |
インストール中に進行状況およびキャンセルボタンを表示する | "pathname¥setup.exe" /s /v/qb |
ユーザインターフェースを表示しないで FileMaker Server をアンインストールする (サイレントアンインストール) | "pathname¥setup.exe" /s /x /v/qn |
メモ: pathname にはネットワークボリューム上に作成したインストーラフォルダの場所を入力します。
設定支援サイレントインストールについて (macOS)
重要:サイレントインストールの実行を選択した場合、インストール画面は表示されません。ただし、インストール画面に表示される使用許諾契約の条件に同意する必要があります。特に、エンドユーザライセンス契約 (EULA) 画面が表示されない場合、「Assisted Install.txt」ファイルで、License Accepted= を 1 (はい) または 0 (いいえ) に設定する必要があります。デフォルト値は 0 です。License Accepted= を 1 に設定した場合、EULA 画面の EULA の条件に同意したことになります。
ユーザはターミナルアプリケーションを使用してサイレントインストールを実行することができます。
- 「Assisted Install.txt」ファイルを作成して FileMaker Server インストーラと同じフォルダに置きます。「登録ファイルのカスタマイズ」を参照してください。
ターミナルアプリケーションで次のように macOS の
installer
コマンドを入力します:sudo installer -pkg FileMaker\ Server\ 18.pkg -target /
重要: FileMaker Server はユーザのマシンのポート 80 および 443 を使用する必要があります。使用できない場合、ソフトウェアはインストールされません。