FileMaker Go 18 デベロップメントガイド
FileMaker Go の概要
FileMaker Go について
FileMaker Go® は FileMaker カスタム App を iOS デバイス上で実行できるため、どこにいてもユーザ間での情報の管理と共有を容易に行うことができます。FileMaker Pro Advanced を使用してカスタム App を構築してから、iOS デバイス上で FileMaker Go を使用してデータを操作します。
このガイドについて
このガイドでは、FileMaker Go で使用できるようにカスタム App をカスタマイズする方法について説明します。FileMaker Go の使用方法については、ヘルプを参照してください。FileMaker のその他のマニュアルについては、プロダクトドキュメンテーションセンターを参照してください。
次の用語が使用されています:
- 「FileMaker Cloud for AWS」は FileMaker Pro Advanced、FileMaker Go、および FileMaker WebDirect を使用するカスタム App をクラウド上で使用するためのサービスです。FileMaker Cloud for AWS は AWS (Amazon Web Services) クラウド上で実行され、AWS Marketplace から提供されます。
- 「FileMaker Cloud」は FileMaker Pro Advanced、FileMaker Go、および FileMaker WebDirect を使用するカスタム App をクラウド上で使用するためのサービスです。FileMaker Cloud では FileMaker ID と統合されたサインオンシステムを使用してユーザを認証します。FileMaker Cloud は FileMaker, Inc. から直接提供されます。
- 「FileMaker Cloud 製品」は FileMaker Cloud および FileMaker Cloud for AWS の両方を意味します。
FileMaker Go 用のカスタム App のセットアップ
FileMaker Go でのデータ操作
次のいずれかの方法で、FileMaker Go でデータを操作することができます:
- 共有ファイルに iOS デバイスから接続し、データをインタラクティブに操作します。iOS デバイス上でデータを変更するとホストコンピュータ上のデータも更新されます。逆にホストコンピュータ上でのデータの変更が iOS デバイス上にも反映されます。FileMaker Pro Advanced、FileMaker Server、FileMaker Cloud for AWS、または FileMaker Cloud によって共有されたファイルに接続することができます。
- ファイルを iOS デバイスに転送し、デバイス上のファイルのローカルコピーをオフラインで操作します。iOS デバイスにファイルを転送するとファイルのコピーが作成されます。iOS デバイス上のローカルファイルのデータに変更を加えても、コンピュータ上の元のファイルは更新されません。ファイルを転送してコンピュータに戻し、FileMaker Pro Advanced によってデータをインポートして更新する必要があります。「ファイル転送について」を参照してください。
共有ファイルへの接続、デバイスへのファイル転送、またはデバイスからのファイル転送の詳細については、ヘルプを参照してください。URL を使用してファイルを開く方法の詳細については、FileMaker Pro Advanced ヘルプを参照してください。
FileMaker Go クライアントとの FileMaker Pro Advanced ファイルの共有
FileMaker ネットワーク共有の有効化
- FileMaker Pro Advanced でファイルを開きます。
- [ファイル] メニュー > [共有設定] > [FileMaker クライアントと共有...] を選択します。
- [ネットワーク共有:] を [オン] に設定します。
- [現在開いているファイル] の一覧から、共有するファイルを選択します。
- [ファイルへのネットワークアクセス] で [すべてのユーザ] または [アクセス権セットによってユーザを指定] を選択します。
メモ: FileMaker Go ユーザがサインインに使用するアカウントのアクセス権セットで、fmapp 拡張アクセス権が有効になっている必要があります。FileMaker Pro Advanced ヘルプを参照してください。
FileMaker Cloud 製品または FileMaker Server によるファイルの共有
FileMaker Pro Advanced ファイルを共有する前に、共有するファイルを用意する必要があります。
- FileMaker Pro Advanced で、クライアントが共有アクセスに使用するアカウントとアクセス権セットを編集します (たとえば、[FileMaker ネットワークによるアクセス])。
- FileMaker Pro Advanced で、FileMaker Cloud 製品または FileMaker Server にファイルをアップロードします (FileMaker Pro Advanced ヘルプを参照してください)。
メモ: Amazon や Google など、サポートされている OAuth アイデンティティプロバイダに基づいてユーザを認証するアカウントの設定方法の詳細については、FileMaker Pro Advanced ヘルプを参照してください。
共有ファイルへの接続
ファイルを共有した後、FileMaker Go でクライアントとしてそのファイルに接続できます。ヘルプを参照してください。
ファイル転送について
デバイスとの間のファイル転送の詳細については、ヘルプを参照してください。
メモ
- 転送する前にファイルをバックアップしてください。
- デバイス上の既存のファイルを置き換える前に、ファイルが閉じていること、または取り除かれていることを確認してください。ファイルが正常に転送されずに壊れる可能性があります。
データを外部に格納するオブジェクトフィールドを含むファイルの転送
データを外部に保存するオブジェクトフィールドを含むファイルを転送するには、最初にそのオブジェクトフィールドのデータを埋め込む必要があります。FileMaker Pro Advanced で [名前をつけて保存...] コマンドを使用し、[すべてを含むコピー (単一ファイル)] を選択します。次に元のファイルではなくそのコピーを転送します。
転送したファイルへのインポートと転送したファイルからのインポート
[レコードのインポート] スクリプトステップを使用して、iOS デバイス上のローカル FileMaker Pro Advanced ファイルのデータを別の FileMaker Pro Advanced ファイルにマージすることができます。
インポートする前にフィールドの割り当てとインポート順を設定します。次の操作を行います:
- 共有ソースからローカルファイルまたは共有ファイルへのインポート
- ローカルソースからローカルファイルまたは共有ファイルへのインポート
例 1: 共有ソース「Remote.fmp12」からローカルファイル「Local.fmp12」にインポートする
この例では、iOS デバイス上に「Local.fmp12」ファイルが存在し、共有ソース「Remote.fmp12」からデータをインポートするスクリプトが必要です。FileMaker Pro Advanced でローカルファイル内にスクリプトを作成し、そのファイルを FileMaker Go に転送する必要があります。その後、FileMaker Go でスクリプトを実行して共有ファイルからデータをインポートすることができます。
- FileMaker Pro Advanced で「Local.fmp12」と「Remote.fmp12」を開きます。
- 「Local.fmp12」でスクリプトを作成します。例:
レコードのインポート [ダイアログあり: オフ ; テーブル: ローカル ;「Remote.fmp12」; 更新 ; シフト JIS ]
お使いのマシンの IP アドレスを使用して、共有ソースファイルへのパスを設定します。例:
fmnet:/192.168.10.10/Remote.fmp12
- インポート順を指定します。
- 「Local.fmp12」を閉じます。
- 「Local.fmp12」を FileMaker Go に転送します。
- FileMaker Go で「Local.fmp12」を開いてスクリプトを実行します。
ローカルファイルのデータが、共有ファイルのデータで更新されます。
例 2: ローカルソース「Local.fmp12」から共有ファイル「Remote.fmp12」にインポートする
この例では、共有ファイル「Remote.fmp12」にローカルファイル「Local.fmp12」からデータをインポートするスクリプトが必要です。FileMaker Pro Advanced を使用して共有ファイル内にスクリプトを作成し、次に FileMaker Go を使用して iOS デバイス上で共有ファイルを開き、スクリプトを実行してローカルファイルからデータをインポートする必要があります。
- 「Local.fmp12」を FileMaker Go に転送します。
- FileMaker Pro Advanced で「Remote.fmp12」を開きます。
- スクリプトワークスペースを使用して「Remote.fmp12」でスクリプトを作成します。例:
変数を設定 [$ファイルパス ; 値: Get (ドキュメントパス) & "Local.fmp12"]
レコードのインポート [ダイアログあり: オフ ; テーブル: ローカル ;「$ファイルパス」; 追加 ; シフト JIS ]
デバイス上のソースファイルへのパスは
file:$ファイルパス
です。 -
[インポート順の指定] を選択します。
[インポート順の指定] ダイアログボックスにソースフィールドが表示されない場合、スクリプトワークスペースで [レコードのインポート] スクリプトステップの [データソースを指定] を選択します。[ファイル指定] ダイアログボックスで、[ファイルタイプ:] に [FileMaker Pro Advanced] ファイルを選択します。次に「Local.fmp12」への別のパスをファイルパス一覧に追加します。例:
file:$ファイルパス
file:Local.fmp12
- FileMaker Go で共有ファイル「Remote.fmp12」を開きます。
- FileMaker Go で「Remote.fmp12」からスクリプトを実行します。
共有ファイルのデータが、ローカルファイルのデータで更新されます。
FileMaker Go と FileMaker Pro Advanced の違い
FileMaker Go ではサポートされていない FileMaker Pro Advanced の機能
- テーブル、フィールド、リレーションシップ、データソース、およびアクセス権などのデータベーススキーマの作成と変更
- レイアウト、スクリプト、値一覧、カスタムメニューなどのデータベース構造の作成と変更
- FMP12 以外の形式からのレコードのインポート
- FMP12 または XML 形式へのレコードのエクスポート
- テキストの基線
- プラグイン
- ファイルのホスト
FileMaker Go でサポートされていないスクリプトステップ
FileMaker Go では一部のスクリプトステップがサポートされません。サポートされていないスクリプトステップは、FileMaker Pro Advanced のスクリプトワークスペースで確認できます。FileMaker Pro Advanced ヘルプを参照してください。
FileMaker Go にはサポートされていないスクリプトステップの警告は表示されません。サポートされていないスクリプトステップはスキップされて、エラーコード 3「コマンドが使用できません」を返します。このエラーコードをチェックするには Get (最終エラー) を使用します。
重要: サポートされないスクリプトステップを実行すると、予想外の動作が発生する可能性があります。
動作の違い
モード
FileMaker Go ではレイアウトモードとプレビューモードはサポートされていません。ただしレコードを PDF として保存し、FileMaker Go 内で PDF を表示することで、レコードをプレビューすることができます。
レイアウトデザイン
FileMaker Go では次の操作はできません:
- 表示形式やレイアウトを取り除く
- フィールドを追加または取り除く
- [レイアウト] メニューに表示されないレイアウトへの切り替え (ナビゲーションボタンを使用する場合を除く)
- 値一覧の定義と割り当て (値一覧の編集が可能なドロップダウンリストやポップアップメニューを使用する場合を除く)
- ポップアップヘルプの表示
- タブコントロール名での「...」などのリーダー文字列の表示
- レイアウトオブジェクトでの影の表示
日付と時刻の選択
FileMaker Go では秒または小数値は選択できません。秒を入力するには、編集ツールバー上の をタップして表示されるキーボードで時刻を入力します。
スクリプト処理、または計算された時刻では、デバイス上で秒を表示します。
カスタムメニュー
メモ: カスタムメニューは FileMaker Pro Advanced の [環境設定] ダイアログボックスの [一般] タブで [高度なツールを使用する] を選択している場合に利用可能です。
FileMaker Go では次の操作はできません:
- [ファイルを閉じる] メニュー項目を取り除く
- 既存の FileMaker Go メニュー項目に割り当てないカスタムメニュー項目の追加
- カスタムメニューによるクイック検索メニュー項目の上書き。ただし FileMaker Pro Advanced の [カスタムメニューの編集] ダイアログボックスを使用するとクイック検索動作を上書きできます
メモ: 取り除かれたメニュー項目は表示されていても使用できません。
次のキーボードショートカットおよび iOS 標準キーボードショートカットでは、カスタムメニューに定義したキーボードショートカットが無視されます。iOS デバイスに外部キーボードを接続している場合、または iPad Pro に Smart Keyboard を接続している場合、FileMaker Go でキーボードショートカットを使用することができます。
押すキー | 目的 |
---|---|
⌘-.(ピリオド) または esc | 実行中のスクリプトを停止する |
⌘-O | [起動センター] の [最近使った項目] タブを開く |
⌘-shift-O | [起動センター] の [ホスト] タブを開く |
⌘-option-O | [起動センター] の [マイ App] タブを開く |
⌘-1 から ⌘-0 | [スクリプト] メニューに表示される最初の 10 個のスクリプトの 1 つを実行する |
⌘-option-E | 確認ダイアログボックスを表示せずにレコードを削除する |
option-⌘-W | すべてのファイルおよびウインドウを閉じる |
⌘-Q | すべてのファイルおよびウインドウを閉じる |
⌘-option-P | [印刷設定] ダイアログを表示せずにレコードを印刷する |
印刷
- FileMaker Pro Advanced でファイルに設定した印刷オプションは、FileMaker Go の同じファイルの印刷オプションには適用されません。逆の場合も同様です。
- ラベルや定型フォームなどの正確な間隔設定が必要なレイアウトを印刷する場合は、ページ余白を指定してください。
フォントとテキストスタイル
- iOS でサポートされていないフォントは、サポートされているフォントに変換されます。
- FileMaker Go では、太字、斜体、下線、単語下線、二重下線、タイトル、大文字、小文字、字消し線のテキストスタイルを表示できます。FileMaker Go では、強調表示、字間狭く、字間広く、スモールキャップ、上付き、下付きはサポートされていません。
データ入力
- タブ順ではフィールドのみがサポートされます。Tab、Return キーを使用して次のフィールドに移動するように設定できますが、Enter キーを設定することはできません。
- キーストロークを取得するためのスクリプトトリガが設定されているテキストフィールドでは、[自動修正] 設定は機能しません。
- アジア言語: 縦書き文字は使用できません。キーストロークを取得するためのスクリプトトリガが設定されているテキストフィールドでは、IME (input method editor) が機能しません。
- FileMaker Pro Advanced でドロップダウンカレンダーとして表示するように構成しているテキストフィールドは、FileMaker Go では編集ボックスとして表示されます。
エクスポート
- デフォルトでは、XLSX 形式以外のすべての手動エクスポート操作は UTF-8 を使用します。XLSX は UTF-16 を使用します。
- 次の操作をする場合は、[レコードのエクスポート] スクリプトステップを使用する必要があります:
- 現在のレイアウトにないフィールドを選択する。
- 出力ファイルの文字セットを設定する。
オブジェクトフィールド
- インスペクタの [データの書式設定] オプション [イメージ] および [インタラクティブコンテンツ] は、FileMaker Go のオブジェクトフィールドには適用されません。
- FileMaker Go ではローカルファイル用にオブジェクトフィールドのデータを外部に格納することはできません。
[デバイスから挿入] スクリプトステップを使用して、ミュージックライブラリ、フォトライブラリ、カメラ、ビデオカメラ、マイク、または署名からコンテンツをオブジェクトフィールドに挿入することや、バーコードソースからコンテンツをオブジェクトフィールドまたはテキストフィールドに挿入することができます。FileMaker Pro Advanced ヘルプを参照してください。
オブジェクトフィールドでのビデオおよびオーディオの再生
次のスクリプトステップ、関数、およびスクリプトトリガを使用して、FileMaker Go のメディアを操作できます:
- スクリプトステップ: AVPlayer 再生、AVPlayer オプション設定、AVPlayer 再生状態設定
- スクリプトトリガ: OnObjectAVPlayerChange、OnFileAVPlayerChange、OnExternalCommandReceived
- 関数: GetAVPlayerAttribute、Get (トリガ外部イベント)
FileMaker Pro Advanced ヘルプを参照してください。
暗号化ファイル
FileMaker Go でファイルの暗号化を有効または無効にすることはできません。暗号化を有効または無効にするには FileMaker Pro Advanced を使用してください。暗号化されたファイルを iOS デバイスに転送する場合、そのファイルは転送先のデバイス上でも暗号化されたままになります。
メモ: 暗号化機能は FileMaker Pro Advanced の [環境設定] ダイアログボックスの [一般] タブで [高度なツールを使用する] を選択している場合に利用可能です。
ズームレベル
FileMaker Go では、画面の表示倍率を 200% まで上げることができます。
キーボードショートカット
iOS デバイスに外部キーボードを接続している場合、または iPad Pro に Smart Keyboard を接続している場合、FileMaker Go でキーボードショートカットを使用することができます。
一般的なコマンドのショートカットの一覧を表示するには、キーボードの command キー ⌘ を押したままにします。
FileMaker Go で使用できるキーボードショートカットの一覧については、ヘルプを参照してください。
保存したローカルファイル
デフォルトでは、ローカルに保存したファイルは [マイ App] タブの [iPhone 上]、[iPad 上]、または [iPod 上] に表示され、ドキュメントフォルダに保存されます。テンポラリフォルダにファイルを保存するには、[変数を設定] スクリプトステップを使用して、そのスクリプトステップの出力ファイルパスとファイル名を指定するための変数を作成します。
次の例を使用して、そのファイルを添付した電子メールを作成することができます。
変数を設定 [$出力 ; 値: Get (テンポラリパス) & "Sample.pdf"]
レコードを PDF として保存 [ダイアログあり: オフ; 「$出力」; 対象レコード]
メールを送信 [電子メールクライアント経由で送信; ダイアログあり: オフ;
宛先: "linda@glolda.com"; トピック: "請求書";
メッセージ: "テスト";「$出力」]
外部キーボード
外部キーボードでは、一部のキーストロークの動作が異なります。
キー | FileMaker Go 上での動作 |
---|---|
イジェクトキー | オンスクリーンキーボードの表示切り替え |
矢印キー | 値一覧、日付 / 時刻 / タイムスタンプ一覧では使用不可 |
スクリプトと関数の動作
- 実行中のスクリプトを停止するには、画面の任意の場所をタップしてスクリプトの停止を確認します。停止を確認しないと、スクリプトは実行を続けます。
- 別のアプリケーションに切り替えると、FileMaker Go はオーディオまたはビデオファイルが再生中でないかぎり中断状態になります。FileMaker Go に戻ると、アプリケーションとスクリプトがそのままの状態で再開されます。共有ファイルでは、FileMaker Go の中断中にデータまたはスキーマが変更されるとスクリプトの実行が停止します。それ以外の場合はスクリプトが続行されます。
- FileMaker Go の中断状態が一定期間を超え、iOS によってアプリケーションが強制終了されると、FileMaker Go は休止状態ファイルの生成を試行します。FileMaker Go を再起動したときにこの休止状態ファイルを使用し、終了前に開かれていたファイルが再度開かれます。FileMaker Go から別のアプリケーションに切り替えたときに [ユーザによる強制終了を許可] が [オフ] に設定されたスクリプトが実行されていた場合、休止状態ファイルは生成されません。
-
デフォルトでは、出力ファイルを作成するスクリプトステップによって既存のファイルは上書きされません。その代わりに、各ファイル名の最後に番号が追加されます。たとえば、「Sample.fmp12」というファイルで初めて [レコードを PDF として保存] スクリプトステップを実行すると、出力ファイル名は「Sample.pdf」になります。次回に同じスクリプトを実行すると、ファイル名は「Sample 1.pdf」になります。
複数のコピーを保存せずに、既存の出力ファイルを新しいファイルに置き換える場合は、スクリプトにファイルパスを追加します (file:ファイル名 または filemac:ファイル名)。たとえば、[出力ファイルの指定] ダイアログボックスに “
file:Sample.pdf
” または “filemac:Sample.pdf
” と入力すると、このスクリプトを実行するたびにドキュメントフォルダ内の「Sample.pdf」ファイルが新しいファイルに置き換えられます。
FileMaker Go のファイルの保護
パスワードで保護されているファイルの開き方
FileMaker Go では保護されたファイルをユーザが開こうとすると、アカウント名とパスワードの指定を求めるダイアログが表示されます。FileMaker Go は指定された順序で次の設定をチェックし、保護されたファイルを開く方法を判別します。これらいずれの設定も使用されていない場合、ユーザはアカウント資格情報を入力してファイルを開く必要があります。
- FileMaker ID
ファイルが FileMaker Cloud で共有され、ユーザが FileMaker ID にサインインしている場合、自動的にファイルが開きます。
- 自動的にログインするための [ファイルオプション] ダイアログボックス
FileMaker Pro Advanced では、ファイルを開くときに特定のアカウント名とパスワードを使用して自動的にログインするために [ファイルオプション] ダイアログボックスを使用できます。
- ユーザによる手動の変更
FileMaker Go では、ユーザがファイルを開くときにファイル一覧でファイル名をタッチしたままにすることで、デフォルトのログイン情報を一時的に無視することができます。[サインイン] をタップすると、別のアカウント名とパスワードを入力するためのダイアログが開きます。
- キーチェーンに保存されたパスワードへのアクセス
キーチェーンにパスワードを保存するには、FileMaker Pro Advanced の [ファイルオプション] ダイアログボックスでパスワードを保存することを許可してから、FileMaker Go の [キーチェーンに保存] オプションが有効になっていることを確認します。また、FileMaker Go がキーチェーンにアクセスする前に iOS による認証をユーザに要求することもできます。ヘルプを参照してください。
FileMaker Go に戻る場合の動作
FileMaker Go がバックグラウンドに移動すると、開いているすべての FileMaker アプリケーションの状態が保存されます。FileMaker Go に戻ると、そのままの状態で再開されます。
一定期間バックグラウンド状態だった場合に再認証を要求するようにファイルを設定できます。「fmreauthenticate 拡張アクセス権の使用」を参照してください。
FileMaker Go がバックグラウンドに移動した場合、ファイルに戻るにはアカウント名とパスワードを再入力する必要があります。ただし次の場合は例外です:
- ゲストアカウントを使用している場合
- 使用したアカウント名とパスワードが、FileMaker Pro Advanced の [ファイルオプション] ダイアログボックスで設定したアカウント名とパスワードに一致する場合
- fmreauthenticate 拡張アクセス権で指定した制限時間内にファイルに戻った場合
- fmreauthenticate 拡張アクセス権のないアカウントを使用している場合
- キーチェーンアクセスにパスワードを保存している場合
fmreauthenticate 拡張アクセス権の使用
FileMaker Go が指定した時間 (分) 使用されていない場合にユーザに再認証を要求するには、fmreauthenticate 拡張アクセス権を使用します。
この拡張アクセス権を使用すると、FileMaker Go を前面に表示したときに指定の制限時間を超えていた場合に、ユーザはアカウント名とパスワードを再入力する必要があります。ユーザが誤ったアカウント名とパスワードを 5 回入力すると、FileMaker Go によってファイルが閉じられます。
FileMaker Pro Advanced で作成される新しいアクセス権セットには、fmreauthenticate10 (10 分) キーワードがデフォルトで含まれます。
ファイルの保護
FileMaker セキュリティガイドを参照してください。
SSL 証明書
FileMaker ナレッジベースを参照してください。